Nu もち
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「Nu きなこもち」「Nu あんこもち」「Nu よもぎもち」は、八画素四方のタイルを単位とするビットマップ風の書体(ピクセルフォント)です。ファミコンやゲームボーイのような、いわゆる 8‐bit のレトロゲームの雰囲気を持っています。狭いマス目をいっぱいに使った丸っこい字形が特徴です。普通の正方形画素のほか、装飾的な「画素スタイル」のバリエーションがあり、大きくロゴとして使うと効果的です。 以下にはフォント説明ページの内容の一部を転載しています。説明ページには書き替え可能な書体見本などもあるので見てみて下さい : http://kokagem.sakura.ne.jp/font/mochi/
和文の字形
「きなこもち」「あんこもち」「よもぎもち」に搭載されている仮名や漢字は字形が共通です。この和文書体を「もち」と呼んでいます。 字形の単位となるタイルは「8 × 8」の大きさですが、ほとんどのグリフが右端と下端に一画素分の余白を取るので、字面は「7 × 7」の範囲に収まります。この枠内で出来るだけ大きく見えるように書いている為、全体的に「ふっくら」という印象を与えるのではないかと思います。 標準では、濁点や半濁点が文字本体の上に飛び出します(上置き濁点)。これはレトロゲームの制限下で生まれた特徴的なデザインを真似た物です。それとは別に、文字本体の中に濁点を押し込んだスタイル(組み込み濁点)も用意しました。これは OpenType‐機能を使えるアプリケーションでは、第一スタイルセット(ss01)を有効にすれば利用できます。それを使えない環境では、別フォントとして切り分けた「Nu きなこもち組込濁点」などを利用して下さい。また、文字本体の右隣に濁点を置く方式(横置き濁点)を採用したい場合、単に独立の濁点や半濁点〈゛〉〈゜〉を組み合わせて「か゛」のように書いて下さい。 漢字は部分的にしか収録していません。出現頻度の高い字や、低学年の学習漢字、画数の少ない字を中心に、現状で 612 字あります。仮名がふっくらしているので、漢字もそれに負けないようになるべく大きく書いています。
欧文の字形
「きなこもち」「あんこもち」「よもぎもち」はラテン文字の書体が異なり、それぞれ次のような特徴があります。 ● きなこ 全ての線を一画素の太さで表現した書体です。和文(もち)との調和しやすさを意識しています。欧文だけを組む場合、細くて弱々しいかも知れません。 ● あんこ 縦線の太さを二画素に、横線を一画素に揃えた書体です。レトロゲームっぽさという観点では最も典型的な雰囲気が出ると思います。和文と太さが違うので少し調和しにくいです。 ● よもぎ 線の太さが部分的に二画素だったり一画素だったりと複雑で、字形は丸っこく、斜めのアクセントが付いた書体です。三種類の中で最も癖があります。 汎用性を優先して、欧文は可変幅(プロポーショナル)の字形を標準としています。レトロゲーム風にするには全角のスタイルに切り替えて使うのが望ましいです。OpenType‐機能を使えるアプリケーションでは、全角スタイル(fwid)を有効にして下さい。それを使えない環境では、別フォントとして切り分けた「Nu きなこもち全角」などを利用して下さい。 ダイアクリティックの付いたラテン文字〈é〉などを或る程度収録していますが、ISO 8859‐1 を網羅しているわけでもなく微妙な対応状況です。ダイアクリティックの字形は「上置き濁点」と同じように、文字本体のタイルの上に飛び出しています。小文字と大文字で位置が異なるので、「タイル単位」である事にこだわる場合は注意して下さい。「組み込み濁点」のようにタイルの中に押し込んだ形は用意していません。
画素スタイル
個々の画素を正方形として隙間なく並べたスタイルが標準ですが、それ以外のバリエーションをたくさん用意しました。これを「画素スタイル」と呼んでいます。 画素スタイルは 58 種類あります。「標準」は単純な正方形を敷き詰めるスタイルで、本文用の小さめのフォントサイズに向いています(画素数が八の倍数となるようにしましょう)。それ以外の装飾的なスタイルは、かなり大きめのフォントサイズでロゴとして使うのが効果的です。スタイル名は次の通り。 Reg / 標準 Reg-Rnd1 / 標準-丸1 Reg-Rnd2 / 標準-丸2 RegOl-Rnd / 標準抜き-丸 BarHrE-1 / 横線平-1 BarHrE-2 / 横線平-2 BarHrE-Rnd / 横線平-丸 BarHrEOl-Rnd / 横線平抜き-丸 BarHrL-1 / 横線左上-1 BarHrL-2 / 横線左上-2 BarHrL-Rnd / 横線左上-丸 BarHrR-1 / 横線右上-1 BarHrR-2 / 横線右上-2 BarHrR-Rnd / 横線右上-丸 BarVtE-1 / 縦線平-1 BarVtE-2 / 縦線平-2 BarVtE-Rnd / 縦線平-丸 BarVtEOl-Rnd / 縦線平抜き-丸 BarVtL-1 / 縦線左上-1 BarVtL-2 / 縦線左上-2 BarVtL-Rnd / 縦線左上-丸 BarVtR-1 / 縦線右上-1 BarVtR-2 / 縦線右上-2 BarVtR-Rnd / 縦線右上-丸 BrickL-1 / 煉瓦左上-1 BrickL-2 / 煉瓦左上-2 BrickL-Rnd / 煉瓦左上-丸 BrickR-1 / 煉瓦右上-1 BrickR-2 / 煉瓦右上-2 BrickR-Rnd / 煉瓦右上-丸 Circle-1 / 円-1 Circle-2 / 円-2 Circle-3 / 円-3 Circle-4 / 円-4 CircleOl-1 / 円抜き-1 CircleOl-2 / 円抜き-2 CircleOl-3 / 円抜き-3 CircleOl-4 / 円抜き-4 CircleOl-5 / 円抜き-5 Diamond-1 / 菱形-1 Diamond-2 / 菱形-2 Diamond-3 / 菱形-3 Octagon-1 / 八角-1 Octagon-2 / 八角-2 Square-1 / 正方-1 Square-2 / 正方-2 Square-3 / 正方-3 SquareOl-1 / 正方抜き-1 SquareOl-2 / 正方抜き-2 Twinkle-1 / 輝き-1 Twinkle-2 / 輝き-2 Twinkle-3 / 輝き-3 TwinkleL-1 / 輝き左上-1 TwinkleL-2 / 輝き左上-2 TwinkleL-3 / 輝き左上-3 TwinkleR-1 / 輝き右上-1 TwinkleR-2 / 輝き右上-2 TwinkleR-3 / 輝き右上-3
囲い線
罫線素片の領域に、レトロゲームのウインドウのような囲いを描ける部品を収録しています。一本線と二本線の二種類があり、一本線についてはカド丸の部品もあります。 一本線は細い罫線(┌)に、二本線は太い罫線(┏)に対応します。通常の罫線と違って「上辺と下辺」「左辺と右辺」を区別する必要があるので、囲いとしては「T」の形の素片(┬ ├ ┤ ┴ ┳ ┣ ┫ ┻)を使います。短い線が枠の内側に向くように並べて下さい。 カド丸の部品は Unicode における U+256d(╭)、U+256e(╮)、U+256f(╯)、U+2570(╰)を使います。JIS X 0208 には含まれません。
レトロゲームらしさについて
「ファミコン風に見せたい」場合の Nu もちの使い方について留意点を纏めておきます。まあ「ほんのりレトロっぽくしたい」程度の場合もあるでしょうし、下記の全てに従う必要はありません。また、これは典型的な例の特徴であって、例外的な作品も存在します。特定のゲームの雰囲気を再現したい場合はそのゲームの文字組みを観察する必要がありますし、「もち」より似ているフォントを探した方がいいかも知れません。 ● 等幅字形を使う ファミコンなどのレトロゲームでは可変幅(プロポーショナル)のフォントを使う事は困難で、和文も欧文も八画素四方のタイルで表示される事が多いです。それに対して、もち系列のフォントのラテン文字は標準で可変幅になっています。「ファミコン風」の演出をするには、OpenType‐機能による全角化か、全角版フォントを使って下さい。 ● 分離濁点を使う レトロゲームは容量制限が厳しいので、「が」のような濁点付きの専用字形を用意せず、「か + ゛」のように部品を組み合わせて表現する作品が多いです。これは Nu もちで言う所の「上置き濁点」または「横置き濁点」に相当します。上置き濁点にしたい場合、Nu もちを初期状態のまま使用して下さい。横置き濁点にしたい場合、独立の濁点〈゛〉や半濁点〈゜〉を使って「か゛」のように入力して下さい。なお、「組み込み濁点」を用いる作品も割と存在します。 ● むやみに漢字を使わない 同じく容量制限があるので、漢字をたくさん収録するレトロゲームは稀です。漢字は一切使わないか、使うとしても数を控えて、ほとんど仮名だけで書くのをお勧めします。仮名だけで書くと語境界が分かりにくいので、適宜空白で区切るのが普通です。 ● 字数を抑える レトロゲームは画面全体の画素数(画面解像度)が小さいので、一行に入る文字数が少ないし、表示できる行数も少ないです。例えば『ドラゴンクエスト』のウインドウは、横幅いっぱいに書いて一行 18 文字です。「レトロっぽさ」を出すには、そもそも本文の字数を(一度に表示する字数を)抑えるのが望ましいと思います。
利用条件
このフォント(Nu きなこもち、Nu あんこもち、Nu よもぎもち v1.0.0)を正規の方法で取得した人は、作者(さゆぬ)に個別の許可を求める事なく、下記の範囲でフォントを利用できます。この範囲を逸脱する使い方については、御相談下さい。 ● 画像などの作成と公開 このフォントに収録されている字形などのデータを使って文書・画像・動画などを作り、それをインターネット上に公開したり、出版したりできます。営利目的かどうかは問いません。作者名など(クレジット)を表示する必要もありません。 ● フォントの再頒布 このフォント自体を再頒布(送信可能化)してはいけません。他人に紹介したい場合はフォントファイルを渡すのではなく、公式ウエブページへ誘導して下さい。 ● フォントの改変と頒布 このフォントに由来するデータを使って新たなフォントを作成し、それを私的な環境にインストールできます。それを頒布してはいけません。ここで言う「新たなフォント」とは、一字づつ切り出した画像など、フォントと同然に使用できるデータを含みます。 ● アプリケーションなどへの組み込み アプリケーションに収録された不変の文字列を表示する目的で、このフォントデータをゲームなどのアプリに組み込んで頒布できます。但し、技術的にフォントデータを取り出せない状態となっている必要があります。 ● 免責 このフォントの使用によって何らかの損害が生じた場合、フォント作者はその責任を負いません。